特定技能2号の在留期間が5年に?改正案の内容と外国人雇用企業が知っておきたいポイント

外国人材を雇用している企業にとって、在留資格の制度変更は、人材の長期雇用や採用計画に関わる重要な情報です。
2026年8月、出入国在留管理庁は、在留資格「特定技能2号」の在留期間に「5年」を追加するための省令改正案を公表しました。
現在、特定技能2号の在留期間は「3年・2年・1年・6か月」の4区分ですが、今回の改正案では、新たに「5年」が追加される予定です。
この記事では、改正案の具体的な内容や変更の背景、外国人材を雇用する企業が知っておきたいポイントを行政書士が解説します。
※本記事は2026年9月28日時点で公表されている改正案に基づいています。正式な公布・施行状況については、最新の公表情報をご確認ください。
30秒でわかる結論
- 改正案の内容: 特定技能2号の在留期間に「5年」を追加する。
- 現行制度: 3年・2年・1年・6か月の4区分。
- 改正後の案: 5年・3年・2年・1年・6か月の5区分。
- 企業への影響: 5年の在留期間が認められれば、在留期間更新の頻度が減り、外国人材の長期的な雇用計画を立てやすくなる可能性がある。
- 今後の対応: 改正の正式な施行状況を確認し、外国人材の育成・定着に向けた計画を進める。
なお、5年の在留期間が追加されたとしても、すべての外国人材に一律で5年が認められるわけではありません。
1. 特定技能2号の在留期間が5年に?改正案の概要
今回の改正案は、出入国在留管理庁が2026年8月4日に公表した「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案」です。
e-Govのパブリック・コメントで意見募集が行われ、2026年9月28日現在、受付が締め切られています。
何が変わるのか?
変更の対象は、在留資格「特定技能2号」の在留期間です。
| 項目 | 現行制度 | 改正案 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 3年・2年・1年・6か月 | 5年・3年・2年・1年・6か月 |
| 5年の在留期間 | なし | 新たに追加 |
| 通算在留期間の上限 | なし | なし |
出典:出入国在留管理庁・e-Govパブリック・コメント(案件番号315000139)
今回の改正案では、特定技能2号の在留期間の選択肢に「5年」を追加することが示されています。
※ただし、5年の在留期間を希望すれば必ず認められるという意味ではありません。実際に許可される在留期間は、個々の審査によって決まります。
また、今回の改正案は特定技能2号が対象です。特定技能1号の在留期間が一律に5年へ変更されるという内容ではありません。
2. そもそも特定技能2号とは?
特定技能2号は、特定の産業分野において、熟練した技能を必要とする業務に従事する外国人向けの在留資格です。
特定技能1号と比べて、より高い技能水準が求められます。
企業が外国人材の長期雇用を考えるうえでは、両者の違いを理解しておくことが大切です。
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 求められる技能 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 在留期間 | 個々に指定される期間(3年を超えない範囲) | 現行は3年・2年・1年・6か月 |
| 通算在留期間 | 原則5年以内 | 上限なし |
| 家族の帯同 | 原則として認められない | 要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能 |
| 支援計画 | 原則として対象 | 1号のような支援計画の対象ではない |
※家族の帯同や各種要件には個別の条件があります。
特定技能1号は、原則として通算5年以内という在留期間の上限があります。一方、特定技能2号には通算在留期間の上限がありません。
そのため、特定技能2号への移行は、外国人材が日本で長期的に働き続けるための重要な選択肢となります。
3. なぜ在留期間「5年」が追加されるのか?
今回の改正案の背景には、永住許可に関する要件との関係があります。
永住許可の審査では、原則として、現在保有する在留資格について最長の在留期間をもって在留していることが要件の一つとされています。
現行の特定技能2号で認められる最長の在留期間は3年です。
一方、ほかの就労系の在留資格では、最長5年の在留期間が設けられているものがあります。
この違いについて、今回の改正案では、永住許可に関する要件との均衡を図る観点から、特定技能2号にも5年の在留期間を追加することが示されています。
つまり、単に在留期間を長くするだけではなく、永住許可の要件との関係も背景にある改正案といえます。
ただし、在留期間が5年になれば永住許可が自動的に認められるわけではありません。
永住許可には、在留状況や素行、生計、税金・社会保険料の納付状況など、ほかにも確認すべき要件があります。
4. 外国人雇用企業への影響は?
では、特定技能2号の在留期間に5年が追加された場合、外国人材を雇用する企業にはどのような影響が考えられるのでしょうか。
① 在留期間更新の事務負担を軽減できる可能性がある
在留期間が長くなれば、更新手続きの頻度が減る可能性があります。
例えば、3年の在留期間が認められている場合と、5年の在留期間が認められている場合では、同じ期間における更新手続きの回数が変わります。
企業側では、必要書類の準備や申請スケジュールの管理など、更新に伴う事務負担を軽減できる可能性があります。
ただし、在留期間が長くなっても、在留資格に関する届出や雇用管理など、必要な手続きがすべてなくなるわけではありません。
② 外国人材の長期的な雇用計画を立てやすくなる
外国人材を採用・育成するには、業務の習得や現場での経験の蓄積が必要です。
在留期間の選択肢が広がることで、企業は外国人材のキャリア形成や人員配置について、より長期的な視点で計画を立てやすくなる可能性があります。
特に、熟練した技能を持つ外国人材を現場の中核人材として育成したい企業にとっては、制度変更を把握しておく意義があります。
③ 外国人材の定着に向けた取り組みが重要になる
在留期間が長くなることは、長期雇用を検討するうえでプラスの要素となり得ます。
しかし、在留期間が長いことだけで、外国人材の定着が保証されるわけではありません。
給与・待遇、職場環境、キャリアアップの機会、生活面のサポートなど、働き続けたいと思える環境づくりも重要です。
制度の変更をきっかけに、外国人材の育成や定着に向けた社内体制を見直してみるのもよいと思います。
5. 企業が今から確認しておきたい3つのポイント
改正案が公表された段階では、企業がすぐに在留期間の変更を申請できるわけではありません。
今後の正式な制度変更に備えて、次の3点を確認しておきましょう。
ポイント① 正式な公布・施行状況を確認する
まずは、省令改正が正式に公布・施行されたかどうかを確認しましょう。
パブリック・コメントの受付が終了したことと、改正内容が正式に施行されたことは別です。
最新情報は、出入国在留管理庁やe-Govの公表資料で確認できます。
ポイント② 在留期限と更新スケジュールを管理する
現在雇用している外国人材について、在留カードに記載された在留期限を確認し、更新時期を把握しておきましょう。
制度改正を待つ場合でも、現在の在留期限を過ぎないように、必要な手続きを計画的に進めることが重要です。
ポイント③ 特定技能2号への移行を見据えて人材育成を進める
特定技能2号への移行には、分野ごとに定められた技能水準などの要件があります。
特定技能1号の外国人材を雇用している企業は、本人の経験や技能、試験への対応状況などを確認し、将来的な移行を見据えた育成計画を検討しておくとよいでしょう。
ただし、特定技能2号の対象分野や移行要件は個別に確認する必要があります。
6. よくある質問
- 特定技能2号の在留期間は、すでに5年になったのですか?
-
2026年9月28日時点では、今回の改正案について、正式な公布・施行を確認したうえで判断する必要があります。
パブリック・コメントの受付は終了していますが、受付終了だけをもって改正が施行されたとはいえません。
最新の状況は、出入国在留管理庁の公式サイト等で確認してください。
- 改正されれば、特定技能2号の外国人は全員5年の在留期間になりますか?
-
いいえ。5年の在留期間が選択肢に追加されたとしても、全員に一律で5年が認められるわけではありません。
実際の在留期間は、個々の申請に対する審査によって決まります。 - 在留期間が5年になれば、永住許可を申請できますか?
-
在留期間が5年になったことだけで、永住許可が認められるわけではありません。
永住許可には、在留状況や納税状況など、複数の要件があります。また、在留期間に関する要件についても、申請時点のガイドラインや個別の状況を確認する必要があります。
永住許可を検討している場合は、最新のガイドラインを確認しましょう。
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