【現役PTが解説】外国人スタッフが「移乗介助」で腰を壊さないために

外国人職員の腰痛対策

「せっかく入国した特定技能のスタッフが、わずか1ヶ月で腰を壊して離脱してしまった……」

もしあなたが介護施設の経営者なら、これほど頭の痛い話はないはずです。 紹介料や渡航費、膨大な書類手続きに費やした時間とコスト。それが「腰痛」という、致命的な理由で無に帰してしまいます。

こんにちは。岐阜県で理学療法士(PT)をしながら、行政書士試験に合格し開業予定の管理人です。

私は日々、岐阜県の老健の現場で多くの介助シーンを目の当たりにしています。身体の構造をよく知る理学療法士(以下PT)から見ると「力任せの介助で結構これ腰に負担かけてないか…?」と思うことが多々あります。

外国人雇用の成功には腰痛で離脱することなく長く働いてもらうことが不可欠でしょう。

私は就労ビザ専門の行政書士を目指して日々記事を作成中ですが、今回はPTとして「腰痛予防」にフォーカスしてまとめてみました。

【知らない間に腰に負担をかけているかも…?】
・腰が痛くなる3つの「あるある」
・腰痛にならない為に意識すべきこと
・外国人スタッフの腰痛の本当の原因は何か

特定技能についての記事はこちら

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目次

【舐めてはいけない】腰が痛くなる3つの「あるある」

腰痛で倒れる外国人職員

環境整備が出来ていない

・ベッドや車椅子の調節はちゃんと行っていますか?

車椅子→ベッドの移乗を例にします。車椅子はベッドに近づけ、フットサポートやアームサポートを外す。また、ベッドの高さも車椅子より少し低い位置にする。逆にベッド→車椅子の移乗では高い位置にする。少しめんどくさいかもしれませんが、転倒予防にもなりますし、やりましょう。
また、スライディングボード等あれば積極的に使った方が良いでしょう。

物理的な過負荷

力任せに介助をしていませんか?ボディメカニクスと言って、人体力学ともいわれ「最小限の力でできる介護技術」を身につける必要があります。

いくつか挙げさせていただくと…

1.介助者は要介護者の体をできるだけ近づける
まずは利用者さんと自分の距離をゼロに近づけること。そして、腰をひねるのではなく、足を一歩踏み出して身体全体の向きを変える。これだけで、腰の負担は驚くほど軽減されます。

2.支持基底面積を広くとる重心を低くする
要は、足を広げ、どっしりと構えるということです。

3.てこの原理を使う
「力」ではなく「支点・力点・作用点」を意識することです。
小柄な女性スタッフや外国人スタッフでも、自分の体重をうまく「てこ」として利用すれば、自分より大きな体格の利用者さんを最小限の筋力で動かすことが可能になります。

その他、利用者がどれくらい動けるか、評価できていれば利用者自身の力も借り楽に介助できます。

「言語の壁」が生む身体の過緊張

実際、これが一番かもしれません。「言葉がわからない」という不安は、単なるコミュニケーションの問題ではありません。人間の身体は、不安や緊張を感じると全身の筋肉が硬くなってしまいます。

これは、外国人と利用者だけでなく、職場の雰囲気等も影響があるかもしれません。
「失敗したら怒られる」「聞き返せる雰囲気じゃない」といった殺伐とした現場では、外国人スタッフの緊張はMAXでしょう。

そして、介助者の緊張は利用者さんにも伝わり、利用者さんも身体を強張らせます。お互いが「力み」合った状態で介助を行えば、腰を壊すのは時間の問題です。

解決策は「安心できる職場づくり」

特定技能の定着には、単なる技術指導だけでなく、「わからないことを、わからないと言える」環境作りが必要ではないでしょうか。

・繰り返し聞いても怒らない姿勢

日本語自体が難しいうえに、専門用語や地域によっては方便など、外国人には理解が難しいことも。「今の説明、ちょっとわからなかったです」と言える環境は、無理な体勢で介助せず、上達も早くなるでしょう。逆に、怒られることを恐れて「わかったふり」をするスタッフほど、無茶な力技に頼り、結果として自分の腰と利用者さんの安全を犠牲にしてしまいます。

・「教え合う」文化が、日本人スタッフも救う

職場の空気が柔らかくなり、外国人スタッフが「正しいボディメカニクス」を学び上達すれば、それは巡り巡って日本人スタッフの腰痛予防や離職防止にも繋がります。腰痛対策をきっかけに、「誰もが身体を壊さず働ける職場」へとアップデートしていく。これこそが、特定技能を受け入れる真の価値ではないでしょうか。


まとめ:腰痛の本当の原因は?

PTの目線と、外国人雇用という面でまとめさせていただきましたが、腰痛対策は「経営戦略」そのものではないかと考えております。外国人スタッフの腰痛離脱を「本人の不注意」で片付けてしまうのは、あまりにも勿体ないことです。そこには必ず、技術的・環境的・心理的な理由が隠れています。
私は、行政書士(予定)としてビザの書類を整えるだけでなく、PTとして「現場で長く、元気に働けるスタッフ」を育てるお手伝いをしたいと考えています。外国人スタッフの身体を守ることは、最終的に巡り巡って事業所の経営を守ることに直結すると考えています。
岐阜・瑞穂エリアの介護現場が、日本人にとっても外国人にとっても「腰を据えて働ける場所」になるよう、伴走させていただきます。

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この記事を書いた人

現役理学療法士です!
R7 行政書士試験合格見込み(記述抜き合格点達成)
・特定技能制度について
・介護、医療支援について
・社会人でも可能な勉強法
・開業・実務のノウハウ
について綴ります!

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